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このブログは、9割以上が妄想で構成されています。アニメ・ゲームへの偏愛が主な成分です。
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書く気力があるうちに、とっとと書こう!
と思っていて、迷走した小噺のひとつです。

すみません。完結してません。
しかし、続きなどなくていいほど意味のない小噺です。orz

+ + + + + + + + + +









ライは生徒会室でぼんやりとしていた。
ぱらぱらと捲る雑誌の内容など頭に入ってこない。あまりにも色彩豊かな紙面に、ライの目はどうしても滑ってしまうのだ。
雑誌の内容があまり興味のない内容であることも、よくないのだろう。

「せっかく素材はいいんだから、もうちょっと服装にも気を使いなさい!」

という、保護者の意見により、リヴァルから貸し与えられたのは男性向けのファッション雑誌だった。
しかしどうしても「これがいいかな?」などとは思えない。
基本的に「壊れていない」「汚れていない」「奇抜な色遣いでない」の三点がそろっていれば、どんな服でもいいというのがライの意見だ。

それこそ学生服であろうが、黒の騎士団の制服であろうが、軍服であろうが関係ない。
強いて言うなら、女性用の洋服は勘弁してもらいたいとは思う。が、着れないことはないだろう。似合わないだろうけれど。
服装に関してはその程度の興味しかないので、ライにとっては「色の取り合わせ」だとか「小物の使い方」だとか言われても、理解できない。

「ルルーシュやスザクもこういうことを考えるんだろうか?」

この雑誌を貸してくれたのはリヴァルだから、きっとこういったファッションに興味があるのだろう。もっともファッションへの興味より比重が重い、バイクへの興味にばかりお金を使っているようだが。

しかし、ルルーシュやスザクはどうなのだろうか?
流行という変わっていくものに関して、ルルーシュはあまり興味をひかれないような気がする。もっと不変的なものなら重視しそうだ。正装に関する事ならば詳しそうな気がする。

スザクは――どうだろうか? 服の買い物をしている姿は想像できない。
しかし、案外何にでも一生懸命になる人だから、実はなにか厳選した衣服を持っているのかもしれないとも思う。何しろ、軍人兼学生だ。生徒会の中では生徒本人の稼ぎとしては最もいい金額をもらっているのだろう。
――でも、忙しくて使う暇がなさそうだ。
今日も今日とて職務のために学園に来られなかった友人を思い、ライは胸を痛めた。

思うにたぶん、ライが「ライ自身」を得られたのと同じように、スザクにもこの学園が必要なのだと思うのだ。
そして、おそらくルルーシュにも。

「――ずいぶんと暇そうだな」

掛けられた声に驚くことはなかった。常に神出鬼没の少女は、まともにドアをノックして部屋に入ると言う事をしないのだ。

「君がここに出入りするのはまずいだろう?C.C.」

ルルーシュに怒られるぞと脅せば、C.C.は鼻で笑った。怖くも何ともないと言葉にしなくても分かる仕草に、ライは苦笑を浮かべる。
悠々とした足取りで生徒会室に入ってきたC.C.は、ついっと顎をそらせた。傲慢な「こっちに来い」という命令は、C.C.に似合っている。ライは苦笑したまま、ゆっくりとC.C.に近づいた。

「もっと早く動け」
「とは言うけどね、そう急ぐ理由がない。この短距離を駆け足で近付かれた方が怖いだろう?それに眠いんだ」
「……眠いなら寝ていればいいだろうに」
「君と違って、僕は昼間はちゃんと起きていたいタイプなんだよ」
「私ともルルーシュとも違って、な」

そんな軽口を叩きながらも連れてこられたのはルルーシュの部屋で、ライは目を瞬かせた。
わざわざ迎えにくるくらいだから、きっとどこか奇妙な場所――それこそ、ライには理解できないような場所に連れていかれると思っていたのだ。
最近のC.C.は、ライとルルーシュ「で」遊ぶことを趣味としている節がある。

「どうしたんだ?」
「中のがうるさいんだ。追い出してくれ」
「は?」

中の、とは「中にいる者」ということだろうか?
だとしたらルルーシュがうるさいということになるが、彼がうるさく騒いでいるなど想像できない。

どういうことだろうと首を傾げている間に、C.C.はあっさりとドアを開け放った。
ノックもしないのは相変わらずだ。
開かれたドアの向こうには、ルルーシュが驚いた表情をしていた。次いで、怒りの顔が浮かぶ。

「いい加減にしろ、C.C.!何度言えば分かる!」
「私の部屋だ。勝手にさせてもらう」
「お前の部屋じゃなく、俺の部屋だ!」

いつもの口論が始まるので、ライはC.C.の背を押してルルーシュの部屋にはいる。ドアを開けっ放しで口論するべき内容ではない。

「ライもいるのに、なぜライを怒らない?」
「明らかにお前に連れられてただけだろう!ライ、お前もこんなヤツにつき合わなくてもいいんだぞ」

和らいだ口調にライはいささかくすぐったい想いをする。
ルルーシュの愛情表現は比較的分かりやすいのだ。こんな些細なところにも表れてしまうぐらいには。
ライ自身から見ても、ルルーシュが完全にライを内側に入れていることが分かってしまう。

くすぐったさにライが肩をすくめると、C.C.が呆れたようにルルーシュを見やった。

「ある意味分かり易過ぎるヤツだな」
「うるさいぞ。大体何なんだ? 制止を振り切り外に出て、すぐに戻ってきたと思ったらライを連れている」

C.C.の言動は普段から突飛で納得いかないものばかりだが、今回のはまるっきり理由が分からない。
ルルーシュは不機嫌そうにC.C.を睨みつけるが、C.C.はどこ吹く風といった様子だ。

再び爆発しそうなルルーシュを慮って、ライはとっさにC.C.に声をかけた。

「僕も何の用か聞いてない」
「お前には言っただろう?うるさいから追い払え、と」
「だから――」

なにを、という前に分かってしまった。ライの目の間を「ソレ」が通り過ぎて行ったので。
ライは思わず口を噤むと、今度はルルーシュが訝しげな顔をする。

「どうしたんだ?」
「どうもこうも……君……」

ライは言いかけて、やはり口を閉じた。何と言えばいいのか分からなかったのだ。
何しろ「ソレ」がルルーシュには見えないことを、ライは知っている。

「ライ?」
「――ルルーシュは非科学的なことを信じたりするか?」
「は?まあ……なにしろ、ギアスとか魔女とかが周りにあるからな。信じるのは吝かではないが?」
「そうか。じゃあ言おう」

ルルーシュはライの重々しい口調に、思わず居住いを正した。
こくりと咽喉が鳴るのを自覚する。

ライは沈痛といっていいほどの表情で言った。

「君の周りに数人――いや、数匹か?妖精が飛んでいる」

沈黙が降りた。

「はあ?」
「いやうん。そういう反応をするだろうと思ったから、言うのをためらっていたんだが……」
「どうでもいいから追い出してくれ。うるさいんだ」

C.C.がボスボスとクッションをたたく。
ライの目には、クッションの前にいた妖精たちを殴ろうとして逃げられているように見えるのだが。

「君の言うことだって彼らは分かるだろう?」

逃げ惑う姿が可哀想でライは言うのだが、C.C.はさらにクッションを振り回している。

「私の言うことなど聞く耳持たん。お前を慕って集まってくるんだから、お前がどうにかしろ!」
「待て!さっきから妖精がいることが確定なのか?」

痛む頭を抑えて置いてきぼりのルルーシュが言えば、ライとC.C.は同時に頷いた。

「少なくとも僕とC.C.には見えている」
「お前に見えないのは徳が足りないんだ」
「……C.C.、お前は黙っていろ」

C.C.はふんと鼻を鳴らして、チーズ君を抱きしめてベッドに寝転ぶ。
その姿を何の感慨もなさそうに眺めてから、ルルーシュはライに向き直った。目が据わっている。「話せ」と視線だけで命じられて、ライは今日はこんなことばかりだな、と思った。

「先ほどの発言はどういう意味だ?」
「何か深い意味を見出そうとしているところ悪いが、言葉通りの意味だ。僕には何故だか『妖精』と呼ばれる存在が見える」

ルルーシュは形容しがたい表情をした。一瞬のうちにころころと表情が変わったのだ。
動体視力のいいライが推察するに、多分「馬鹿なことを言うな!」と怒鳴ろうとして、「ライがふざけている訳がない」と考え直し、「研究所の実験の後遺症か?」と心配したのだと思われる。
しかし、よく動く表情筋だ。とライは感心した。
ライ自身は表情が硬いほうなので、見習わなければと思う。

「――とりあえず、病院か?」
「そこまで行くのか……」

ルルーシュの呟きに、ライは思わず呻いた。
別に頭がおかしくなったわけではない。ただ見えてしまうのだ。

妖精はいたるところにいるのだが、基本的に人前に出てこない。
木々や草花、物陰など様々なところに隠れていて、たまに顔を覗かせるぐらいだ。
小さな人の体に光輝く羽をもった不思議な存在をライが認識できるようになったのは、記憶を――過去を取り戻した後のことだった。

C.C.曰く、過去のライには見る能力があり、記憶に引きずられるようにその能力が目覚めたのだろうということだった。
昔の人々には妖精などの人非ざる存在が身近にあり、見えることはそれほど特別なことではなかった。
だからこそ、本来なら過去の時代の住人であるライには見えることができるのだろう。

そういったことをルルーシュに説明したが、まったく理解されなかった。
当然といえば当然だろう。ルルーシュたちにとって妖精は夢物語の住人なのだ。

「……仮に、だ。お前の言うことが本当だとしよう」
「いや、真実しか話していないのだが。うん。君がそれでしか納得できないなら、それでいい」
「悪いな。どうしても納得できん。が、とりあえず、お前の言うことか本当だと仮定して、なんで俺の部屋にその妖精たちがいるんだ」
「君が好きだからだろう?」
「は?」
「君はどうやら妖精に好かれるらしいよ」

ライが微笑むと、C.C.が笑い声を上げた。

「――私といいこいつ等といい、人ではないモノにばかり好かれるな」
「だから、お前は黙っていろ!」

 

 

********************

ごめんなさい。ここで力尽きた。orz
落としどころが見つからないんですよ。

某擬人化国家web漫画を読んでいて、英国が愛しくなった結果です(笑)
斯く言う私は、日/本/総/受/けです!
個人的には英日も好きですが、仏日も捨てがたく、希vs土→日なんてときめいてしまいます!

――なんだか私の書くルルーシュは英に似ている気がする。
あ。そうか、ツンデレ攻だからか!

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